マッサ・マリツティマ Massa Marittima 人口約1万人 概要 ティレニア海沿岸の街フォッローニカ Follonicaから内陸へ約30km入った海抜400m近い丘の上の町。 旧市街には,ロマネスクからゴシックの時代の多くの歴史的建物が残る。 エトルスク時代に銀や銅などの金属資源が豊富なことで栄えた歴史がある。 鉱物の採掘は14世紀末、マラリアの蔓延で経済が衰退していたが、19世紀の干拓事業によってマラリアの脅威が衰え始めたころ1830年に再開されることとなった。 それが逆に美しい都市のたたずまいを現在に至るまで保存されてきた結果となった。 アクセス 鉄道: ローマ・ピサ間の海岸ルートを走る列車に乗る。 フォッローニカ Follonica下車。 ローマからピサ行きのIC特急で2時間20分。鈍行は2時間40分、ピサからはIC特急で1時間10分、鈍行で1時間20分。 FB特急(Frecciablanca)はフォッローニカには停車しない。 フォッローニカ駅前からマッサ・マリツティマ行きバスで35分、 日中約1時間おき。 他にグロッセートからは約1時間、1日3往復、シエナからは1時間45分、1日1往復。 旧市街 旧市街へは一般車両の通行が禁止されている。 町の中心となるのはガリバルデイ広場 Piazza Garibaldi。町の主要な記念碑的な記念建造物がそびえている。広場は変則的な形をしており,広場の奥をふさぐように階段状の土台の上にロマネスク様式のドゥオーモ斜め向きにそびえている。 ドゥオーモの正面の右手に,ロマネスク様式のプレトリオ館 Palazzo Pretorioが建つ。 隣接して市庁舎 Palazzo Comunaleが建つ。 プレトリオ宮殿Palazzo Pretorio、市庁舎PaIazzo ComunaIe ドゥオーモの左手の司教館 Palazzo Vescovileの先を下っていくと,3つの頑丈なアー チに支えられたアッボンダンツアの泉 Fonte dell'Abbondanza のある13世紀の建物がある。 見どころ ドウオーモ Duomo ピサ様式のロマネスク=ゴシック建築の代表作の一つ。 傍らには美しい鐘楼が建っている。 聖チエルボーネを祀る。11世紀に建立され,1287−1304年の問に内陣と多角形の後陣を建設して拡張された。 ファサードは,下の方に柱廓が施され,その上に小円柱の支える2層の開廊とゴシック様式の上部装飾が積み重なっている。 扉口は,守護聖人である聖チェルボーネの生涯の浮彫り彫刻で飾られている。 内部は3廊式で,彫刻が施された美しい柱頭を持つ円柱で支えられている。 内部に洗礼盤があり、聖歌隊席の下にある部屋に、聖チエルボーネの石棺がある。 ファサードの裏面のバラ窓には14世紀の彩色ステンドグラスがある。 プレトリオ館 Palazzo Pretorio ドゥオーモのファサードの向かいに建つ。1230年頃に建設されたもので,古くは行政長官の官邸であった。 どっしりとしたファサードは2層に分かれ,2連窓と石造りの行政長官の紋章(15−17世紀)が飾られている。 現在は,考古学博物館と絵画館からなる市立総合博物館 Musei Civiciが入っている。 月曜休館 考古学博物館 Museo Archeologico プレトリオ館に設けられている。 年代と地形学的基準に沿って,新石器時代の火打石や資料を収集する。 アッチェ−サ湖 Lago dell'Accesaから出土した紀元前8−前3世紀のエトルリアの墓のブロンズ製の留め金,ガラス粉の製品,アッティカ風の陶器を始めとする出土品と調度類や,前7−前6世紀の鉱山の集落の遺跡が展示されている。 市立美術館 Musei Civici プレトリオ宮殿に設けられている。 サーノ・デイ・ピエトロの「聖母」, サツセツタSassettaの「天使」, アンブロージョ・ロレンツエツティAmbrogio Lorenzettiの「荘厳の聖母」(14世紀), セバステイアーノ・フォツリSebastiano Folli の作品を収める。 鉱山博物館 Museo di Mineralogia 760mの坑道の中に、鉄鉱石の採掘を再現している。 第2次大戦中に避難所として利用されていたが、1980年に博物館に改装された。 入口はコツリド一二通り Via E Corridoni ガイド付き見学,月曜休館。 サンタコスティーノ教会 Chiesa di Sant'Agostino 1299〜1313年に建立されたコシック様式の教会。 ファサードはロマネスク様式でシンプルである。 内部は単廊式で大アーチが横断している。 ディアス大通りCorso Diaz。 周辺の見ところ サン・ガルガーノ修道院 Abbazia di San Galgano 北東に32km。このゴチック様式の修道院は、今日では崩壊しているが、1224年から1288年にかけてシト一会様式によって、聖ガルガーノに敬意を表して建立された。 彼は放らつな生活を送ったシエナの若者だったが、その後聖職についた。この修道院はシエナのドゥオーモのモデルとなったとされる。 |